招待状

夏の始まりを告げる雨がジトジトと降っている。
眩さに見開かれた両目がずっと空を見上げている。




長い間連絡を取っていない友人(♀)から、
結婚式の招待状が届いた。
一体、何の意図があるというのだ。


結婚式で祝って貰いたいためにこの招待状を寄越したのか。
それとも、単なるご祝儀目当てで乱送しているのか。
暫くの間、独りで考えた。


古くからの共通の友人(♂)に電話をした。
彼もワシと同様に長い間、前述の彼女とは連絡を取っていないという。
しかし、彼の元にも送られてきた招待状。
彼はワシよりも理解に苦しんだ様子で、恨みを述懐してきた。


ワシたち二人は、自分たちの答えを
後者のご祝儀目当てだと決めた。
もし、それが正解ならば、
甚だ身勝手で迷惑な話である。


電話を切る際に、彼は言った。
『あまりこんな事言いたくないけれども、
 彼女が、結婚式を心から祝ってあげられる程の
 価値のある人間か否かの問題だよな』

強く頷いて、相槌を打った。


もはや、彼女がどういう意図で送付しているかは問題ではない。
『彼女が祝いたくなるような人間ではないから行かない』
という答えで、もう充分足り得る。


『お前は彼女に感謝せねばならない』
『お前は彼女を祝福せねばならない』

という言葉は、本来なら存在しないように思う。
上記の様な言葉を連発する人間を、私は知っている。


つまり、感謝や祝福というものは、
他から強制されるものでは決して無く、
自分の心から素直に表出すべき感情であろう。


未だ雨は降り止まない。


以上。
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by mikan_bivattchee | 2005-07-03 22:53 | 日記
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